DeNAに就職・転職したい人が読むべきDeNA社の企業分析まとめ

「DeNAってゲーム事業以外はどんなことやっているのかな?」
「企業としてのDeNAにはどんな強みがあるのだろうか?」

ゲーム会社や、プロ野球球団の運営で有名なDeNAの創業は1999年とインターネット業界の中では古く、創業者の南場智子氏がオークションサイトの設立した会社が由来です。DeNAの2017年度決算資料によると売上高は1,394億円で、現時点での事業は、下記の3つが主要事業となります。

①ゲーム事業<==売上の約70%
②EC事業
③スポーツ事業(球団運営等)

この中でも、売上の70%近くはゲーム事業に依存しており、事業の多角化を目指すことで、ゲーム事業以外も、ゲーム事業と同程度以上の収益を確保することが、DeNAの中・長期的な目標になっております。

本日はインターファクトリーで、シニアアドバイザーを担当する筆者が、これからDeNAに就職してみたい方のために、決算資料からDeNA社を分析してみたので、この記事を読めば、競合他社と比較しながらDeNAの強みや弱みが理解できるでしょう。

DeNAの事業別売上推移(2013~2017年)

では、まずDeNAの事業別の売上推移をご覧ください。下記のグラフは筆者が過去から現在のDeNA社の決算説明資料から独自に集計して作成したものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

データ引用先:DeNA IR説明会資料

青い線が、DeNA全体の売上高です。これを見ると、オレンジ色のゲーム事業の売上と連動して、下がっていることがわかります。

DeNA社はガラケー時代に「モバゲータウン」というソーシャルネットワーキングサービスを展開し、そのサービス上で、日記やメッセージでユーザー同士が会話できたり、ゲームが出来たりと10代を中心に大人気のサービスでした。

しかし、2012年頃からスマートフォンが誕生し、世の中がガラケーからスマホに変わっていく中、ガラケー時代のモバゲーの人気を、そのままスマホのモバゲーに引き継ぐことができず、売上を落としているのです。

後ほど解説しますがゲーム事業でヒット作を出すことができず、ゲーム市場の売上高が会社全体の売上のほとんどを構成しているため、DeNAは、横浜ベイスターズを買収しスポーツ事業を始めたり、新規事業を起こすなど事業の多角化を進めているのです。

そんな現状の中、DeNAの現状を解説いたします?

2012年以降のゲーム事業の不振

ゲーム事業の大きなポイントは、まずはヒット作を出すことです。2009年にDeNAは「怪盗ロワイヤル」をリリースし、月商30億円規模の大ヒット作となりました。

参考記事(2010年)『怪盗ロワイヤル』で好調のDeNA 営業利益約240億円を予測

怪盗ロワイヤルは、ゲーム開発経験のない人材ばかりの少人数のチームで開発されたゲームですが、ゲーム開発経験がないぶん、斬新なアイデアがヒットを生み出したことにつながりました。しかし、それ以降、DeNAからは、それに並ぶヒット作は出ておらず、苦戦が続いております。

また、DeNAはかつてMobage(モバゲー)というブラウザーでのゲーム市場を席巻しておりましたが、世の中がガラケーからスマートフォンに移行したため、Mobageの会員も減少し、それに伴いDeNAの売上も下がっていきました。

「マリオ」や「どうぶつの森」など任天堂IPを利用したゲームの展開

2015年3月にDeNAは任天堂は、業務・資本提携の発表を行いました。DeNAがもつモバイル市場でのゲームノウハウと、任天堂のIP(intellectual property:知的財産)を使ったゲーム開発を行う提携を行いました。

その結果、「スーパーマリオラン」や「ファイアーエムブレム ヒーローズ」、「どうぶつの森ポケットキャンプ」などがリリースされ、DeNAのゲーム事業の売上の下げ止まりに貢献しており、中でもスーパーマリオランは累計66億円の売上をあげております。

一見好調そうに見えますが、任天堂の目指すスマホゲーム売上の1,000億円と比べると、ギャップは大きく、任天堂はその後、DeNAの競合であるサイバーエージェントのグループ会社のCyGames(サイゲームズ)とも提携を行いました。海外でのゲーム市場に定評があるCyGamesとの提携には、世界市場で任天堂のキャラクターをうまく利用する意図があります。これはDeNAにとっては、あまり面白くない提携でしょう。

DeNAとしては、任天堂のIPを使えば、世界的大ヒットのゲームを開発できる可能性が高く、早くヒット作品を生むことです。ヒット作を生み出すことが、任天堂との関係も強くすることができるからです。そしてオリジナルのゲームにおいてもヒットを出すことが求められています。

現在のスマホアプリのランキング上位は、海外の会社が多くを占めており、パズドラやモンストなどの「ガチャ」には日本人ユーザーが飽きてきている兆候かもしれません。ですからDeNAは、従来のヒット作に左右されずに、新しいゲームを開発する必要があると筆者は考えます。

DeNAのEC事業

DeNAのEC事業は、

①DeNAトラベル
②ペイジェント(決済代行サービス)
③オークション

の3つの事業から成り立っていましたが、2018年5月にエボラブルアジアにDeNAトラベルは売却したために、現在は決裁代行会社のペイジェントが、この事業においての収益の中心を担っています。

DeNAトラベルは、2017年度の旅行取扱高は国内14位に過ぎず、事業の選択と集中を行った結果、売却に至ったのだと、筆者は推測します。

決裁代行会社のペイジェントは、三菱UFJ銀行とDeNAの合弁会社で2006年に設立されました(現在は三菱UFJ銀行から三菱UFJニコスに株主が変更)。もっとクレジットカード加盟店を増やしたい三菱グループと、ネットのノウハウのあるDeNAが合併することでシナジーを生むことを期待され、ペイジェントが設立されました。

ペイジェントに限りませんが、決裁代行会社というのは、地道に加盟店を増やして行くしかなく、そういった性質上、いきなり売上があがるビジネスでは、ありませんので、DeNA全体の中での貢献利益はさほど高いものではありません。

オークション事業は「モバオク」というオークションサイトを運営しており、2004年にサイトがオープンし、当時は、ガラケー全盛時代であり、Mobage会員がオークションサイトを使っており盛況でしたが、現在はメルカリなどの新しいサービスが生まれており、厳しい状況は否めず、DeNA全体の売上からもわずかなものでしかありません。

スポーツ事業(球団運営)

DeNAの事業の中でも、最も好調と言えるのがスポーツ事業、つまり横浜DeNAベイスターズに関する事業です。下記をご覧ください。

◆TBS時代 VS DeNA時代の「利益」と「ホーム観客動員数」

 

 

 

 

 

 

 

 

グラフ引用先:動員数も業績も好調な「横浜DeNAベイスターズ」2017年の純利益が11.9億円に

TBSからDeNAに球団経営が移って以降、右肩上がりで観客動員数が伸び、2011年の110万人から2017年には197万人にまで増えております。その要因の一つに、横浜ベイスターズ球場は別の会社が運営しておりました。

そのため球団と球場と一体となった経営ができず、横浜スタジアムの入場料収入や周辺地域の飲食収入が入りませんでした。しかし、2015年の10月に横浜スタジアムを約100億円かけてDeNAが保有することになり、これにより一体となった経営が可能になりました。※下記記事を参考にしたので、あわせてご覧ください。

参考記事:横浜DeNAベイスターズ黒字化経営への道のり/今後の球団経営を分析してみる

横浜DeNAベイスターズの買収は、その事業で売上を出すことが目的ではなく、DeNA本体の広告のための目的があります。球団運営は、運営費の割にはテレビや新聞に毎日取り上げられるため、広告費用対効果が極めて高いのです。

またDeNAのメイン事業がゲーム事業ということもあり、プロ野球を楽しむ層とスマホゲームを楽しむ層の親和性が高く、大きなシナジー効果を産み、DeNA経営陣の優れた買収戦略であったと言えます。

3つの新規事業

 

 

 

 

DeNAの中長期的に重要なポイントとなるのは、複数の新規事業を成長させ、ゲーム事業にだけに売上を頼らない収益基盤を作ることです。2017年度の決算資料を見ると、下記の3つの新規事業について重点を置くと述べられていました。

◆3つの新規事業

①オートモーティブ事業(タクシー配車サービス)
②ヘルスケア型保険事業
③ソーシャルLIVEサービス事業

筆者の率直の印象ですが、①~③の中で目新しいサービスが見当たらず、例えば①にしてもUberが先行しており、どこまで、新しい付加価値がつけられるかが試されます。特に①と②の事業の本格的運用はこれからとなり、今後の展開を見守ります。

DeNAの企業分析のまとめ

本日はDeNAが公開している決算資料をもとに、企業分析をしてみました。その結果、

(1)2018年現在も売上はゲーム事業に会社全体の売上が依存
(2)新規事業をゲーム事業に匹敵する売上の事業に育てる

というポイントに終始すると考えます。そのため、これからDeNA社に就職や転職を考えている方には、最高に面白い環境であるといえます。なぜならゲーム事業という巨大な収益を生む事業がありながら、企業としてのリスクを抑えたまま、新規事業にチャレンジできるからです。

また、筆者は複数回、DeNA社で打ち合わせを行ったことがありますが、若い人が多く、実力があれば年齢に関係なく、昇進できる風土であると感じました。オフィスも渋谷のヒカリエにあり、誰もが羨む、とても良い仕事環境です。

転職や就職を考えているなら、DeNAはおススメの企業です。

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