新卒・中途が読む!アマゾンの特徴を分析!7つの強みとは?

「Amazonって、どうしてあそこまで大きな企業になったのか?」
「Amazonの強みってなんだ?」

日本では、ネットで買い物と言えば「Amazon(アマゾン)」という習慣がすっかり定着しました。Amazonジャパンの2019年における年間総流通額は2兆5,378億円で、首位の楽天に次いで国内2位になりました。(楽天は5兆118億円)

Amazonの強みとは、Amazonのサイトの使いやすさから、翌日配送、AWSというクラウドサービスまで、様々ですが、その源泉になっているのは、Amazonの徹底した顧客目線の考え方なのです。Amazonの会長ジェフ・ベゾフの「競合を見るな!顧客を見よ!」という発言からもこの考えを伺うことができます。

それでは、本日はインターファクトリーで、シニアアドバイザーを担当している筆者がAmazonの特徴を7つの強み分けて、これからAmazon社を目指す人向け(中途・新卒)に、それぞれ解説いたします。

強み① 使いやすいAmazonのサイトは、お店の宣伝がなくシンプル!

この点が、よく楽天市場とAmazonが比較される点です。楽天市場は出店型、Amazonは出品型という違いがあります。

出店型とは、ショッピングモールに自分のお店を出店するイメージです。下記画像をご覧ください。

◆出店型の商品ページの例(楽天より)

楽天商品ページ

このように、商品の靴以外にも他商品やセール情報が多数掲載されております。ユーザーにとっては、商品の靴の情報だけを見たいのですが、その情報にたどり着くまでに多くのバナーや新着商品などを見ていく必要があります。これはお店側には「ブランディングができる」というメリットがありますが、ユーザーには、あまりメリットがありません。

一方で、Amazonの場合は、出品型です。

◆出品型(Anazonの商品ページ

アマゾン商品ページ

このように商品がメインとなるため、シンプルで使いやすいのが特徴ですが、ユーザーにとって利便性が高くなる一方で、出品社の企業には、「ブランディングができない」デメリットがあるため、Amazon内での価格競争に陥りやすいデメリットがあります(楽天でも価格競争に陥りがちですが、Amazonの方がその傾向が強めです)。

しかし、ユーザーの支持されるところに、人が集まるように、出品者(事業者)も集まるために、小売の大手企業であっても、売上を上げるためにAmazon(や楽天)などのショッピングモールに頼らざるを得ない状況なのです。

強み② 抜群の集客力!

なぜ、日本中の人がAmazonを使うのでしょうか?大きい理由は、インターネット黎明期の2000年11月1日から、Amazonは日本語版のサイトを立ち上げており、楽天の1997年につぐ速さです。まずはこの先行者メリットが大きいのですが、そもそも利便性の高いサイトでなければ、生き残ることはできません。

日本市場において、Amazon日本事業の2021年の売上高は約2.5兆円となっております。楽天のEC総流通額は5兆円を超えますが、これは楽天トラベルや楽天ブックスも含む数字となっているため、物販ECのみで見ると、互角と見られています

参考記事:アマゾン日本事業の売上高は約2.5兆円、ドルベースで230億ドル【Amazonの2021年実績まとめ】

ここまで日本市場(世界もそうですが)にAmazonが広まると、人々はGoogleの検索エンジンから欲しい商品を探すのではなく、Amazon の検索窓で直接商品を探すようになっています。下記のデータをご覧ください。

◆検索から購入までAmazonのみで買い物を完結させたユーザーの割合

Amazonのみで検索

データ引用先:「GoogleではなくAmazonで検索」して購入するネット通販ユーザーは約9割【アマゾン消費の最新情報】(ネットショップ担当者フォーラム)

このデータは全米を対象としたものですが、年々検索エンジンではなく、Amazonで直接商品を検索する人が増えており、今や9割に迫る割合となっております。これは小売業にとっては、難しい問題です。Amazonに出店すれば、商品が売れるのですが、ブランディングがしづらいため、価格競争に陥りやすいデメリットがあるからです。

強み③ 即日配送

ネットショップが、実店舗に劣っている点は、いくつかありますが、そのうちの一つが「購入後に、商品がすぐに手に入らない」という点です。

しかし、Amazonはライフコーポレーションと提携して、ライフのネットスーパーの注文ができるサービスを開始しました。現時点ではエリア限定のサービスとなりますが、ライフで取り扱っている生鮮食品を中心に、配送時間を指定した上で最短たったの2時間で届くので、その利便性はかなり高いです。

特に需要の高い食品をAmazonで購入するようになれば、家電、家具、文房具、服といったあらゆるものが、Amazonで購入するようになる可能性を秘めています。競合の楽天も「あす楽」という翌日配送をサービスを提供していますが、即日配送のAmazonにスピードで劣っております。

一方、ユーザーには利便性が高いサービスであっても、それを実現する配送業者にかかる負荷は大変なもので、その証拠に2017年にヤマト運輸は、負荷があまりにも多いため、即日配送サービスから撤退してしまいました。現在は、デリバリープロバイダーと呼ばれる地域限定の配送業者が、その役目を担っています。

下記図は東洋新聞の「アマゾン「当日配達ドライバー」の過酷な実態」から引用した図です。

Amazon-1

デリバリープロバイダーは、配送品質は、ヤマト運輸と比べると劣るために、ユーザーからは数多くの不満の声が上がっており、配送品質を上げつつ、配送人員を確保するのがAmazonの課題です。

強み④ Amazonは実は物流の会社!最大の強みは物流網!

下記の記事による、楽天とAmazonも創業時期はだいたい同じであり、日本においては、当初は楽天の方が有利であったと書かれています。

参考記事:EC業界を牽引してきたAmazonと楽天 物流投資の差が成長性の差に

なぜなら、楽天は、出店業者に楽天市場上のスペースを貸しているだけであり、自社でコストが非常にかかる物流網を、わざわざ自社で持つ必要がなかったのです。その点、Amazonは、物流網の整備を完全に自社で行うために、時間と費用が莫大にかかりました。

しかし、最高の物流網を作ってしまえば、大量に仕入れることで、その分コストを削減できるスケールメリットを活かすことができ、商品をどこの企業よりも安く仕入れることが可能です。

また、全国18か所に配送拠点を持つAmazonは、競合他社を圧倒する物流の効率化を実現しており、この点こそ、Amazonの最大の強みになっているのです。

強み⑤ Amazon Primeで映画や音楽でユーザーを囲い込み!書籍ではKindleが電子書籍市場を席巻!

Amazon Primeとは、映画や音楽を楽しめる年間4,900円(月額の会員は月500円)サービスです。

世界のAmazon Primeの会員数は、2020年には2億人を突破しましたが、恐らく2022年2月の米Amazonにおける会費の値上げにより会員数が変動し、2022年の6月時点でのPrime会員数は1億7,200万人と発表されています。日本の会員数は不明ですが、おそらく何百万人という単位になるでしょう。

参考記事:米Amazon プライム会員、2月の値上げ以来会員数が増えず

Amazon Primeは様々な特典がありますが、ショッピングでは送料無料のお急ぎ便を指定することができ、また動画や音楽の無料視聴という切り口で会員数を増やし、結果Amazonの利用者を増やすのが目的です。

また、Amazonの利用者の属性は、楽天と比較すると30代以上のITリテラシーが高い層とAmazonの相性が良いのですが、逆に楽天が好きな主婦層とは相性が良くありませんので、こういったサービスを、通常Amazonが使わない層が利用することで、Amazonの囲い込みがより大きな規模となるでしょう。

その他にも、周辺サービスでは、電子書籍ではKindle、スマートスピーカーでは、Amazon Echoなど、Amazonの会員数をふやし、Amazonの本体との利用とシナジーを生み出しているのです。

強み⑥ AWSは大規模ECサイト「Amazon」のノウハウを展開したサービス

Amazonの強みは、BtoCだけではありません。BtoB事業においても大きな影響力を及ぼしております。それが「アマゾンウェブサービス」つまりAWSというクラウドサービスです。

このクラウドサービスをカンタンに説明すると、企業のシステムや、あるいはアプリケーションなどは、サーバーが必要になりますが、クラウド上に、このサーバーを提供しているのが、AWSとなります。

同様のクラウドサービスは、IBM、Micorosoft、NTTデータなどあらゆる世界中の大手ITベンダーから提供されていますが、コスト、機能性、セキュリティーの面で、圧倒的に優位に立っており、この市場で33%というナンバー1のシェアをとっているのです。

◆世界のクラウドサービスシェア

クラウドインフラ市場シェア率推移

グラフ引用先:2021年第4四半期、クラウドインフラ市場はAWSがシェア33%でトップ、マイクロソフトが21%で猛追、Google、アリババが続く。Synergy Researchとcanalysの調査結果

元々Amazonは自社のショッピングモールのための、インフラを構築しておりました。Amazonのユーザーは1日、何億というユーザーからのアクセスに耐えるサーバーを構築する必要があり、そのノウハウを、他社に提供したことが、AWSの由来です。

余談ですが、小売事業者が、Amazonに自社商品を出店するか、あるいは自社でECサイトを作るか?という選択がありますが、仮に事業者がECサイトを構築することを選択しても、ECサイトのシステムのサーバーはAWSのプラットフォームが採用されることが多く、そういう意味では、Amazonは、EC市場をより広く独占していると言えます。

強み⑦ Amazonの強さの源泉は徹底したユーザーの利便性の追及の結果

ここまではAmazonの6つの強みを紹介しました。7番目の強みは、ユーザーの利便性の追及です。以下は、Amazonの代表のジェフ・ベゾフの言葉です。

ジェフ・ベゾフ「競合を見るな。顧客を見ろ」

参考記事:「競合を見るな。顧客を見ろ」–Amazonの徹底した顧客志向をあらわすベゾスの言葉たち

全ては、この考え方からサービスが生まれているのです。

サイトのユーザービリティや即日配達、物流網、さらにはAWSまで、一見バラバラの強みに見えますが、根底にあるのは、Amazonの徹底した顧客への利便性への追及です。

即日配達や、サイトのユーザービリティの追及だけではなく、AWSも、サイトが止まらないように、クラウドサービスに磨きをかけた結果が世界一のサービスを生み出しており、全てが顧客への利便性に基づいたサービスなのです。

この点こそが、Amazonのアイデンティティと言えるでしょう。

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