今から小売業界を目指す方が読むべきまとめ!市場規模や平均年収も考察

今から小売業界を目指す方が読むべきまとめ!市場規模や平均年収も考察

「スーパーやコンビニって業界としてどうなんだろう?」
「小売業界ってどんな感じだ?」

将来の転職や就職活動先として、小売業界に興味を持っている方は小売業界の将来性が気になることでしょう。

結論から言えば、日本は少子高齢化に突入するため、業界全体で売上が伸びることはないため、業界の統廃合が進みます。そのため生き残る企業はネットを上手く使う企業や、売ること以外に付加価値を生み出すことができる企業に絞られます。

1980年からの小売業界の販売額推移も横ばいになっており、今後の発展を考えると厳しい業界であることは間違いありません。

本日はインターファクトリーでシニアアドバイザーを担当する筆者が、小売業界について詳しく解説いたします。

国内小売販売額推移(1980年~2014年)

少し古いデータですが、国内の小売り市場を把握するのにとても良い資料がありました。下記のグラフをご覧ください。

データ引用:あなたが「イオングループCEO」ならばどうするか?

このグラフを見てもわかる通り、1990年代をピークに小売り業の販売額推移は横ばいが続いています。昨今は若干盛り返していますが、訪日外国人によるインバウンドによるもので、今後も続くかどうかは不透明であり、インバウンド需要だけを頼りにするわけにはいきません。

百貨店とスーパーの年間販売額の商品別内訳(2016年 vs 2017年)

総務省が公開しているデータに「百貨店」と「スーパー」の年間販売額の内訳をまとめているデータがあったので、2016年と2017年を比較して見てみましょう。(コンビニや専門量販店は含まれておりません)

2017年のデータ引用:平成28年小売業販売を振り返る – 経済産業省
2016年のデータ引用:平成27年小売業販売を振り返る – 経済産業省

百貨店の年間販売額は対前年比2,000億円も減少している!

百観点の2016年度(平成27年)と2017年度(平成28年)の内訳を比較すると、全てのカテゴリーの販売額が減少していますが、その中でも「婦人・子供服・洋品」の落ち込みは激しく、たった1年で約1000億円も販売額が減少しています。

ユニクロや、H&M等のファストファッションブランドが定番となり、服にお金を使う意識が若い人を中心に弱くなってきていることが原因です。また、OLが過去10年で私服で仕事ができるようになってきたため、私服は仕事着にも使える地味目の服を選ぶ嗜好が強くなり、そのためファッションブランドの服が倦厭される結果を招いたことも要因にありそうです。(下記の記事を参考にしました)

参考リンク:ファッション氷河期

百貨店全体で言えば、1980年以降に「ビックカメラ」や「ユニクロ」、「紳士服の青山」など、全てのカテゴリーにおいて専門店が続々誕生してきており、品ぞろいや価格、あるいは立地においては太刀打ちすることができないため、年々販売額が減少する結果になっているのです。

スーパーの年間販売額は対前年、ほぼ横ばい!

2016年と2017年のスーパーの年間販売額を比べると、若干の減少ですがほぼ横ばいです。内訳を見ると「その他の商品」が対前年で、約2500億円も縮小しておりますが、飲食料品が約2000億円も販売拡大しており、その分をカバーしております。

明確な理由はわかりませんが、飲食料品の販売額が上がった要因の一つは、円安が進み、企業が原材料費を抑えることができず、値上げに踏み切ったことで、生活必需品である飲食料品は、そのまま販売額の増加に結び付いたのかもしれません。

【ベスト50社】小売市場の売上企業ランキング!

データ引用:小売業界の現状、動向、ランキングなど-業界動向サーチ

 

順位 企業名 売上
1位 イオン 8兆1767億
2位 セブン&アイ・HD 6兆0457億
3位 ローソン 2兆0495億
4位 ファミリーマート 2兆0055億
5位 ファーストリテイリング 1兆6817億
6位 ヤマダ電機 1兆6127億
7位 三越伊勢丹HD 1兆2872億
8位 J.フロントリテイリング 1兆1635億
9位 高島屋 9295億
10位 エイチ・ツー・オー リテイリング 9156億
11位 ユニーグループ・HD 8647億
12位 ビックカメラ 7953億
13位 ドンキホーテHD 7595億
14位 エディオン 6920億
15位 イズミ 6687億
16位 ユナイテッド・スーパーマーケットHD 6495億
17位 ケーズHD 6441億
18位 ライフコーポレーション 6299億
19位 しまむら 5460億
20位 マツモトキヨシHD 5360億
21位 ウエルシアHD 5284億
22位 ツルハHD 5275億
23位 ゼンショーHD 5257億
24位 サンドラッグ 5037億
25位 アークス 5019億
26位 バローHD 4974億
27位 ニトリHD 4581億
28位 ノジマ 4548億
29位 コスモス薬品 4472億
30位 DCMホールディングス 4377億
31位 平和堂 4370億
32位 スギHD 4148億
33位 ATグループ 3806億
34位 上新電機 3757億
35位 ココカラファイン 3732億
36位 ミニストップ 3363億
37位 コメリ 3243億
38位 アスクル 3150億
39位 ヤオコー 3106億
40位 良品計画 3075億
41位 コーナン商事 3029億
42位 フジ 3002億
43位 パルコ 2763億
44位 近鉄百貨店 2707億
45位 マックスバリュ西日本 2698億
46位 ゲオHD 2679億
47位 カワチ薬品 2606億
48位 オークワ 2594億
49位 いなげや 2485億
50位 丸井グループ 2458億

1位はイオンです。売上高7兆円を超える巨大企業にも課題はあります。それはイオンの売上高87を占める小売事業の利益率がたった16%だけであり、利益率のほとんどは金融などの非小売業が占めており、小売業の利益率が極めて低いことです。(下記リンク先を参考にしました)

参考リンク:あなたが「イオングループCEO」ならばどうするか?

商品の原価率においては、イオンのような巨大グループには「規模の経済性」が働くため、原価率を下げることができるのですが、業態が多様化したために規模の経済性が働きづらくなってしまい、利益率の悪化につながっているのです。

2位のセブン&アイホールディングスは、2018年度の売上が6兆円を超すなど増収増益で好調です。その背景にあるのが、セブンイレブンのコンビニ事業です。国内や北米でのコンビニ事業を拡大させる一方で、スーパーや百貨店事業では苦戦が続いています。

また、オムニチャネル施策「omni7(オムニセブン)」も2018年度の売上目標を1兆円としておりましが、やっと1000億円を超えた程度に収まり、オムニチャネル施策の見直しが迫られております。

参考リンク:セブン&アイHD、井阪改革1年目の「通信簿」

不調な百貨店に対して好調なのは13位のドン・キホーテホールディングスです。2018年の最新の決算報告では売上高は9000億円を超え、ユニーと共同で「MEGAドン・キホーテUNY」を出店するなど攻勢が進んでおります。

小売業界の将来性や課題

現在の小売業界は訪日外国人が増え、インバウンド需要を支えておりますが、この景気もいつまで続くか不透明です。

日本は今後、少子高齢化社会に突入し、国内需要はどんどん下がります。しかし、一方でインターネットで買い物をする人は、増えていきますから、利便性の高いネットスーパーなど、顧客視点での業態変更が求められます。

また単に、モノを売るだけではなく、ドン・キホーテのように、「ショッピングの楽しさ」という付加価値をつける企業が、顧客から支持され生き残っていくでしょう。今後20年で、小売業界は大きく統廃合を繰り広げていく厳しい業界の一つです。

小売業界の平均給与は495万円!

小売業界の平均給与は安く、495万円です。小売りの中でも、有名企業は600万円を超えてきますが、業界全体では年収が300~400万円代の会社が多く、店舗で働く社員は人件費というコストで見られる傾向があるため、どうしても給与が低く抑えられがちです。

小売り業界でキャリアアップをしていくには、本社勤務になるか、エリアマネージャーになっていくかのどちらかが求められます。

小売業界に他業界から転職は可能か?

小売業界への転職は、常に人手不足の業界であるためか、年齢や経験に関わらず難しくはありません。しかし、すでに説明したように、給与の安い業界であり、業務時間も長く、そもそも他業界から、モチベーションを高く転職する人は多くはありません。

他業界から転職する場合は、将来の事業の独立を視野にいれたりする人が多いでしょう。

小売業界に向いている人は?

単に言われたことだけをこなすのではなく、数字や顧客視点を意識し、経営者視点を持つことが大切です。まかされた商品棚も、自分の事業としてとらえて売上を伸ばしていく人こそ向いています。

また、将来、自分で小売事業を行いたい場合も、その修行先として小売業界はうってつけです。