マーケティング施策としてSNSを始めたいけれど、
「たくさん種類があって、どのSNSを始めれば良いか分からない」
「どんな内容を投稿すれば効果があるのか知りたい」
など、EC事業者としてどのようにSNSを運用していけば良いのかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
これからSNSを始める事業者の方でも、この記事で紹介する5つのポイントを押さえれば、すぐに運用を始めることができます。SNSで重要なのは投稿の内容です。なぜなら、必要なのは
「新入社員が入社しました」
「今日はいい天気ですね」
のような日常的な投稿ではなく、以下のようなお役立ち情報だからです。
「コレステロールを下げる運動と食事を紹介」
「梅雨の時のおススメの着こなしを紹介」
自社のターゲットを理解し、そのターゲットに向けたお役立ち情報を投稿することが、リピーターを増やすために重要です。
本日はインターファクトリーでマーケティングの部署に所属する筆者が、SNSを運用するための5つのポイントを解説します。
EC事業者が効果的にSNSを運用するための5つのポイント
それでは、SNSを運用するための5つのポイントを、順に解説してまいります。
ポイント①ターゲットに合ったSNSを運用する
まずは、こちらの表をご覧ください。
◆主要SNSのユーザー層比較表
出典:「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(総務省)をもとに筆者作成
SNSといっても主要なものだけで5種類あります。自社のターゲットの年齢層などに合わせて、どれが合うのか、上記の表を参照に運用するSNSを選びましょう。
例えば、X(旧Twitter)やInstagramは10~20代の若い利用者が多いですが、もう少し上の年齢層にアプローチする必要があればFacebookも検討したり、アパレルや化粧品など女性向けの商材であればInstagramやTikTokを活用したりするなどした方が、より効果が期待できるでしょう。
表にはLINEもありますが、どちらかと言えば、既存顧客との接点を持つのがLINEになります。店舗に来てくれるユーザーなどをLINEで友だちになってもらうことで、情報を配信することができます。
ポイント②SNSの運用体制を整える
次にSNSを運用する体制です。大手企業では運用体制を構築することができますが、中小企業の場合は工夫が必要です。例えばささげ業務の際に撮影した写真をSNSにも投稿するなど、現行の業務の中にSNS投稿に必要なことを組み込む方法が良いでしょう。
またSNSの運用は、チームでやるよりも熱意のある担当者一人で行った方が、投稿の質が上がる場合もあります。投稿者が複数いると投稿内容にムラが出たり、投稿のタイミングがそろわなかったりという懸念点もあるので、チームでの意識合わせが必要です。
個人のSNSを投稿する頻度が高いスタッフが社内にいる場合は、SNSの担当者にすることで本人のモチベーションも上がるでしょう。
外注することも選択肢の一つではありますが、まずは自社でSNSを運用してみて、企画から投稿までのSNSの一連の流れを担当者が理解した方が、外注をした際にも外注先の能力や経験を評価しやすくなります。
投稿の頻度は、まずは週に2~3投稿を目指して、慣れてくれば営業日は毎日1投稿するようにしてみましょう。
ポイント③投稿内容はお役立ち情報が基本
続いて投稿内容についても解説します。
(1)お役立ち情報
投稿内容は、お役立ち情報が基本です。全ての投稿のうち、お役立ち情報が8~9割、残りの1~2割で商品詳細ページを紹介するくらいの割合で良いでしょう。
例えば健康食品を販売する会社がSNSを運用する場合を考えてみます。
「おすすめのサプリメントはわが社の〇〇です!」
というような宣伝ばかりの投稿をしているアカウントがあったとして、このようなアカウントをフォローするメリットを感じるでしょうか? このようなアカウントは、フォロワーはあまり増えないでしょう。
そうならないために、お役立ち情報を提供する必要があります。先ほどの健康食品の例では、
「コレステロールを下げる場合の食事のコツ」
「血圧を下げるための運動習慣」
というような、ユーザーが求めているお役立ち情報を提供していくことが、SNSの投稿内容で大切なポイントです。そのため自社サービスや自社商品だけにとらわれず、ユーザーのニーズにこたえられる投稿をするべきです。
(2)写真・動画
SNSでは文字だけの投稿はなかなか目に留まりません。手間はかかりますが、写真や動画付きの投稿を増やしましょう。
2023年に、イーロンマスクもTwitter(現X)のアルゴリズムを公開しましたが、以下のようなアルゴリズムがありました。
◆画像や動画は有利
画像や動画が埋め込まれたツイートはスコアが2倍になります。引用先:Twitterの公開したアルゴリズムのソースコードで判明した「おすすめ」タイムラインに掲載されやすい投稿・掲載されにくい投稿まとめ
このことからも、画像や動画を掲載するのは、拡散に役に立つことがわかります。
撮影の際には少しでもきれいに撮影できるよう、一眼レフカメラや、カメラ性能の高いスマートフォンを使い、高画質での撮影を行いましょう。
(3)タグをうまく使う
特にInstagramでは、ハッシュタグを使いこなせるかどうかで投稿へのいいねの数やフォロワー数が決まると言っても過言ではありません。そこでおすすめのハッシュタグを教えてくれる無料ツールを活用しましょう。ここでは「ハシュレコ」を紹介します。
「ハシュレコ」
ただし、ハッシュタグを無意味に付与するのは、かえってマイナスとなります。例えば、アパレルのInstagramにも関わらず、最近のバズワードをハッシュタグに入れると、システムから見ると、スパムに見られる可能性もあるからです。
ハッシュタグはあくまで、自社のビジネスや投稿と関係のあるものに限定しておくべきです。
ポイント④投稿頻度・時間を意識する
SNSでは投稿する時間も重要です。
ユーザーがSNSを利用するタイミングを意識して、そこに合わせた投稿をしましょう。
(1)投稿が見られやすい時間帯
7~9時 通勤中
12時 昼休み
17時 終業後
19~23時 夜
上記以外にも、もし、自社のECサイトでアクセスや売上の多い時間帯があれば、その時間にSNSを投稿することでも効果が期待できます。
(2)自動投稿ツールを利用する
上記の時間に投稿するのが良いと分かっていても、繁忙時は投稿するタイミングを逃したり、就業時間外では投稿が難しかったりといった課題を感じた方もいらっしゃると思います。その場合は自動投稿ツールの利用で解決できます。
◆自動投稿ができるSNS管理ツール比較表
初期費用 | 月額費用 | |
comnico Maketing Suite | 10万円(税別) | 5万円(税別)~ |
HootSuite | 無料 | 12,999円(税別)~ ※年間一括払い |
Beluga | 10万円(税別)~ | 2万円(税別)~ |
ソーシャルインサイト | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
Buffer | 無料 | 無料~ |
出典:comnico Marketing Suite、HootSuite、Beluga、Social Insight、Buffer(2024年11月末現在)
上の表のように無料のものから有料のものまで様々ですが、費用対効果を考えて最初は無料ツールから始めましょう。運用を始めて無料ツールではできることと、できないことがはっきりしたタイミングで、有料ツールを検討してみてはいかがでしょうか。
ポイント⑤ファンを増やす工夫をする
運用を始めたばかりでフォロワーが少ないうちは、ユーザーからの反応があれば丁寧に返していくことが大切です。そうしてファンを育てていくことでリピーターが増え、売上にもつながっていきます。
また、書き方も自動返信のような定型文のやり取りよりも、ある程度投稿した人の人格が分かるような言葉で返した方がユーザーから親しみを持ってもらいやすくなるので、より効果的です。
成長しているECサイトは、売上の8割をリピーターが占めているとも言われます。ECサイトを運営している事業者であれば、誰もがリピーターを増やしたいと考えているでしょう。
ECで購入した顧客がSNSの存在自体を知らないことも多いので、商品を発送する際にQRコードを封入する、購入後の自動返信メールにSNSアカウントを掲載するなど認知度を上げることも忘れないでください。
各SNSのアナリティクスを活用する
上に述べた5つのポイントを効果的に実施するためにも、各SNSが提供するアナリティクスを活用しましょう。アナリティクスツールを使うことで、投稿の効果やフォロワーの属性を分析し、ターゲットに合ったコンテンツに調整するなどの改善が可能になります。
例えば、以下のような活用の仕方があります。
◆SNSアナリティクスの活用例
・Instagramインサイトで、投稿の保存数やリーチ数を確認し、保存数が多い投稿を分析して、類似のコンテンツを増やす。
・Xアナリティクスで、どの投稿がリツイートされたかを調べ、人気のあるハッシュタグやトピックを次回に活かす。
投稿のリーチ数やエンゲージメント率を確認し、成功事例を活かしながら効果の低いポイントを改善することで、SNS運用の成果を最大化できるため、定期的なデータ確認と改善が重要です。
炎上は発生するものとして対策しておく
SNSを運営する以上、炎上は発生するものと思って対策をとっておくべきでしょう。日頃から他社の炎上事例を自社に置き換え、チームで対策を考えておくことが大切です。
もしものときには早い対応が求められますので、実際に起こってから対処法を考えていたのではさらに事態を悪化させてしまいます。
特にフォロワーが増えると悪意のあるユーザーの目にも留まりやすくなりますので、運用開始時には問題がなかったからといって安心せず、むしろ時間が経ってアカウントが育ってくるにつれて炎上する可能性もあることを認識しておきましょう。
筆者もSNSアカウントを運用しておりますが、批判的なコメントが来た時は、すぐに返事をして、こちらに非があれば、すぐみ認めて、逆に指摘されたことに感謝をするように返信しております。そうすると、それ以上に炎上したことはありません。
いずれにせよ早い対応を心掛けることで炎上リスクは最小限になるはずです。
SNSの目的は投稿することではない
企業の公式SNSの中には、自社製品に関わることではない、日常的な投稿が主になっているものもあります。いわゆる「公式の中の人」として親しみやすいキャラクターを作ることで、会社のイメージアップを図っている企業もあります。
しかしEC事業者にとっての目的は売上を上げることなので、キャラクターや中の人をアピールするような投稿ばかりではSNSを効果的に使えません。特に中小企業では優先度が下がりますので、ユーザーに役立つ情報の投稿を心がけましょう。
まとめ
本日は以下を解説しました。
◆EC事業者が効果的にSNSを運用するための5つのポイント
・ポイント①ターゲットに合ったSNSを運用する
・ポイント②SNSの運用体制を整える
・ポイント③投稿内容はお役立ち情報が基本
・ポイント④投稿頻度・時間を意識する
・ポイント⑤ファンを増やす工夫をする
SNSを運用する際には、上記のポイントを押さえてターゲットに届く効果的な投稿を行いましょう。
最後に
株式会社インターファクトリーでは、EC支援サービス「ebisu growth」にてEC事業の成功を支援しております。
本記事で解説したSNS運用など、ECの売上を向上させたい方は、ぜひご検討ください。経験豊富なコンサルタントが貴社ECサイトを成功に導きます。