EC担当者のためのバースデーメールの3つの例文と送り方

会員の誕生日に合わせてバースデーメールを送る施策は、しばらく買い物を控えていた会員に対して有効です。

バースデーメールを有効に使うことで、ECサイトの利用率を向上させ、会員一人当たりのLTVを向上させることができます。また通常のメルマガと違い、バースデーメールの場合は、普段開封しないユーザーも、特典が気になって開封したい心理が働きます。

本日はforUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者が、バースデーメール施策について詳しく解説いたします。

3つのバースデーメールの例文

まずは、バースデーメールの3つの例文を用意したので、すぐにバースデーメールを作りたい方は、編集して使ってみてください。いずれもシンプルなスタイルで例文を作成しています。

例文① ポイント(クーポン)訴求

いつも○○をご利用いただきありがとうございます。お誕生日を迎える△△様に、私どもから日頃の感謝の気持ちを込めて、バースデー特典ポイントをご用意いたしました。このお知らせは誕生月限定でのご案内ですので、お早めにポイントをご利用くださいませ。

例文② 限定商品訴求

いつも○○をご利用いただきありがとうございます。お誕生日を迎える△△様に、私どもから日頃の感謝の気持ちを込めて、限定商品をご用意いたしました。このお知らせは誕生月限定でのご案内ですので、お早めに限定商品をご確認くださいませ。

例文③ 限定プレゼント訴求

いつも○○をご利用いただきありがとうございます。お誕生日を迎える△△様に、私どもから日頃の感謝の気持ちを込めて、限定プレゼントをご用意いたしました。このお知らせは誕生月限定でのご案内ですので、お早めに限定プレゼントをお選びくださいませ。

バースデーメールを送るタイミング

バースデーメールを送るタイミングについては、3つの考え方があります。

◆バースデーメールを送る3つのタイミング

①誕生日の当日
②誕生月の月初
③誕生月の前月末

「①誕生日の当日」に送るやり方は、開封率を意識した方法と言えます。筆者の推測ですが、やはり誕生月というくくりより、誕生日当日に届いた方が、開封率は上がると思うからです。

ただし、誕生日の当日に送る場合は、特典の利用期間に気を付けなければなりません。例えば、利用期限を誕生月の月末までとすると、ユーザーによって利用できる期間が変わってしまうため、期間は誕生日から1か月以内などとするのが良いでしょう。

「②誕生月の月初」に送る方法は、平等な方法とも言えます。特典の利用期間を誕生月の1か月間とした場合、どのユーザーにも平等に利用機会を提供できるからです。また、ステップメールの観点からも、日付で管理するより月単位で管理する方がシナリオ作成がカンタンです。

「③誕生月の前月末」に送る方法は、ユーザーからすると誕生月ではないため、開封されにくくなる可能性が高いでしょう。そのため筆者はあまりおススメはしませんが、誕生月に複数回のステップメールを考えている場合には、以下のようなシナリオが考えられます。

ステップメール①誕生月の前月末「来月は誕生月!」
ステップメール②誕生月の月初「誕生月の特典プレゼント」
ステップメール③誕生月の月末「誕生月特典の期限が迫っています!」

ただ、前月から誕生月のステップメールが送られてくると、ユーザーによってはしつこいと受け取られる可能性もあるので、筆者は最もシンプルな②の方法をおススメします。

バースデーメールの特典期間

筆者の経験では、バースデーメールを送った日が最も特典利用が多く、数日たつと少なくなってきます。しかし、中には、

「バースデーメールだ!今日は使わないけど、期限までには特典を使おう!」

と考えるユーザーもいるでしょう。そのような場合はステップメールで、

「バースデーメールの特典は、あと3日です!」

と訴求すると効果があります。

以下のように開封の有無によって、訴求文言を変更してみると良いでしょう。

◆バースデーメールのステップメール例

バースデーのステップメール

バースデーメールは、休眠顧客にも有効

通常、休眠顧客に対しては「特典のお知らせメール」などを送付して、再びECサイトで購入してもらえるよう促します。休眠顧客とは、具体的に以下のセグメントを指します。

◆休眠顧客のセグメント

・累計購入回数が多い
・累計購入金額が多い
・最終注文日が直近ではない

バースデーメールは、しばらくECサイトを利用していないユーザーにも有効な施策と言えます。また、休眠顧客が再びECサイトで購入することで、優良顧客になる可能性もあるので、バースデーメールを活用しない手はありません。

バースデーメールのために誕生日情報を取得する際の注意

ECサイトの会員登録時に、以下のような情報を取得する場合を考えます。

◆ECサイトの会員登録時の入力項目

・名前
・性別
・住所
・電話番号
・生年月日

しかし、会員登録の際に入力項目が多すぎると、ユーザーは入力する必要性が分からず、結果として離脱を生みます。そのため生年月日など、購入に必要ないと思われやすい情報を取得する際は、以下のような注意書きを入れて、ユーザーの離脱を防ぐ工夫が必要です。

・名前
・性別
・住所
・電話番号
・生年月日誕生月に合わせて特典をお送りします。

このような注意書きがあると、生年月日も違和感なく入力しやすくなります。また、過剰に個人情報を取得すると、個人情報が漏えいした時のリスクにつながるので、バースデーメールに特化するのであれば「誕生月」だけを取得する方法もあります。

ECサイトの創立記念(誕生日)をメルマガとして送る方法も!

バースデーメールの応用で、ユーザーではなく、ECサイトの創立記念日に特典メールを送る方法もあります。下記は、Google Storeから送られてきた創立記念セールのお知らせメールです。

◆Google Storeの創立記念セールのお知らせメール

Google Storeの創業記念メール

このように、ユーザーと接点を持つキッカケとしては、自社ECサイトの誕生日も利用できるので、Google Storeのようにセールを開催するのも非常に良い試みでしょう。

まとめ:バースデーメールは、ステップメール施策の第一歩!

ステップメールには、会員登録してからのステップメールなど、さまざまなシナリオがあります。

・会員登録のフォローメール
・初回購入のフォローメール
・レビュー入力依頼メール
・カゴ落ちメール
・クーポン(ポイント)利用促進メール

その中の一つの施策として、バースデーメールも取り入れてみましょう。コミュニケーションツールとしてLINEが普及して、メルマガの開封率が落ちていると言われていますが、総務省のデータを見る限り、全ての世代で利用率は決して低くはありません、

◆年齢階層別インターネット利用の目的・用途(複数回答)(2019年)

総務省のメルマガやインターネット利用率世代別調査

引用:総務省|令和2年版 情報通信白書|インターネットの利用状況

ECサイトのCRMで、メルマガは欠かせない施策ですから、バースデーメールも積極的に試してみるべきです。もし、今までCRMや、ステップメールを実施したことがないのであれば、まずはバースデーメールから試してみてはいかがでしょうか?

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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」では、ECサイトの初心者向けに特に集客方法について解説。