ECサイト構築方式のひとつ「クラウドEC」の8つのメリットとは?

Cloud computing or cloud network concept

「ECシステムをそろそろリニューアルしたいけど、どんな方式がいいのだろう?」
クラウドECって最近聞くけど、何がいいのかな?」

中・大規模のECサイトを新たに構築するときに、ほとんどの企業が「ECパッケージ」か「クラウドEC」のどちらかを選択することになると思います。なぜならゼロから作るフルスクラッチ方式は、もはや費用や工数の観点から現実的な手法ではなく、この2つの方式に選択肢が限られるからです。

その2つの中でもクラウドECが、ECパッケージより優れている最大の理由は、システムが毎週、自動更新がかかって最新性を保たれるにも関わらず、カスタマイズやシステム連携が可能な点にあります。これを含め、クラウドECのメリットは、以下の8つが挙げられます。

◆クラウドECの8つのメリット

メリット① システムが古くならないから、二度とECシステムのリニューアルが必要ない!
メリット② 自動更新されるから、最新の機能が自動で実装される!
メリット③ セキュリティ基準が継続的に高くなる
メリット④ システムに自動更新されるのにカスタマイズやシステム連携ができる
メリット⑤ サーバーや保守体制を自社で用意する必要がない
メリット⑥ 開発フェーズを分けて段階リリースすることが可能で、しかも費用が安く済む
メリット⑦ 新規事業のECサイトは標準機能でクラウドECを安く導入すれば、将来のカスタマイズ費用を抑えられる!
メリット⑧ 自動バックアップ機能により、データの消失リスクの軽減や災害時の迅速な復旧が可能

本日は、インターファクトリーで、シニアアドバイザーを務める筆者が、クラウドECのEBISUMARTを例にとりながら、上に挙げたクラウドECの8つのメリットについて、詳しく解説してまいります。

「ECパッケージ」VS「クラウドEC」ECシステム比較表

まずは下記の比較表をご覧ください。ECパッケージとクラウドECを比較した表です。

この比較表を見ると、ECパッケージとクラウドECに大差がないと思うかもしれません。重要な点は「システムの最新性」にあります。クラウドECは、毎週システムの自動更新(アップデート)が入るため、システムが古くなることがありません。

また、ECパッケージもクラウドECもカスタマイズしないで、標準機能のみでもサービス提供しておりますが、その場合、クラウドECの方が若干費用が安く済みます。

クラウドECの8つのメリット

クラウドECには費用面の他にも下記のようなメリットがあります。

◆クラウドECの8つのメリット

メリット① システムが古くならないから、二度とECシステムのリニューアルが必要ない!
メリット② 自動更新されるから、最新の機能が自動で実装される!
メリット③ セキュリティ基準が継続的に高くなる
メリット④ システムに自動更新されるのにカスタマイズやシステム連携ができる
メリット⑤ サーバーや保守体制を自社で用意する必要がない
メリット⑥ 開発フェーズを分けて段階リリースすることが可能で、しかも費用が安く済む
メリット⑦ 新規事業のECサイトは標準機能でクラウドECを安く導入すれば、将来のカスタマイズ費用を抑えられる!
メリット⑧ 自動バックアップ機能により、データの消失リスクの軽減や災害時の迅速な復旧が可能

これら8つのメリットについて、ひとつずつ解説していきます。

メリット① システムが古くならないから、二度とECシステムのリニューアルが必要ない!

クラウドECは、ASP-ECと同様に、システムの自動更新が毎週かかります。下記はクラウドECのEBISUMARTの年間アップデート数ですが、2023年度は年間252回の自動更新がありました。

◆クラウドECのEBISUMARTでの年間自動更新数

2023年のアップデート数

つまり、システムが自動更新されるので、システムリニューアルが二度と発生しないという最大のメリットがあります。多くのECシステムがリリースから3年から5年で、システムが陳腐化し、莫大なコストとリソースをかけてECシステムのリニューアルを行いますが、企業にとっては要件定義からリリースまでに大変な負担になります。

しかし、クラウドECであれば、システムのリニューアルが必要ありません。これは中・長期的にシステムへの投資の負担を大きく下げることになるのです。

メリット② 自動更新されるから、最新の機能が自動で実装される!

システムが自動更新されるので、新しい機能や、今まで対応していなかった細かい機能が毎週アップデートされていきます。例えば、2018年のEBISUMARTの例で説明すると、下記のようなアップデートが毎週更新されております。

◆WAFオプションに対応した事例

 

◆過去のクーポンの検索結果を、クーポン番号でも検索できるようにアップデートされた事例

このように、セキュリティーに関する重要な更新から、管理画面のユーザビリティーの更新まで、あらゆる自動更新がかかります。

今では当たり前ですが、過去にはECサイトのスマホ対応という時流が発生しました。この時、多くの企業がスマホ対応をするために数十万円というシステム改修費用を払って、スマホ対応を行いました。しかし、クラウドECのEBISUMARTは、自動でアップデートが行われたので、EBISUMARTを使用している企業はシステム改修費用は発生しませんでした。

このように、最新の時流のシステムも、クラウドECであれば、自動で実装されるケースが多々あり、企業はシステム投資を抑えることができるのです。

メリット③ セキュリティ基準が継続的に高くなる

クラウドECでは、ひとつのプラットフォームを複数の企業が共有しているため、ある企業の高度なセキュリティ要件に対応する際、その対策や更新が他の企業にも自動的に適用される仕組みになっています。

例えば、金融機関のような高いセキュリティ基準が求められる業種がクラウドECを採用した場合、その企業に対応するためにセキュリティ基盤が全体的に強化されることになります。これにより、同じ基盤を利用している他の企業も、追加コストなしで強化されたセキュリティの恩恵を受けられるのです

また、セキュリティの専門チームが常時監視やパッチ対応を行っているため、日々進化するサイバー攻撃への対応もスピーディに行われる点も大きな安心材料です。

ECサイトでは、顧客情報やクレジットカード情報の流出といった致命的なセキュリティインシデントが経営リスクに直結します。一方で、日々の売上には直結しにくいため、どうしても後回しにされがちです。

クラウドECを導入することで、専門家の手によってセキュリティ対策が継続的に実施される体制を、自社の手間なく実現できるのは大きなメリットです。

メリット④ システムに自動更新されるのにカスタマイズやシステム連携ができる

システムが自動更新される仕組みは「ASP」が有名です。小規模~中規模事業者のほとんどが、ASPを使って、ECシステムを作ります。ASPの最大の魅力は「安くて」「早く」ECサイトをリリースできることと、システムが「古くならず」絶えずアップデートがかかり、システムが古くならないことです。

しかし、そんな小回りが利くASPにも大きな弱点があります。それはシステムのカスタマイズができないことです。例えば、ECサイトで1日100件以上の注文がくるようになると、バックエンド作業の人数を増員して対応しますが、それでもミスが目立ち、効率が頭打ちになってきます。

そういったフェーズで、ECのカスタマイズを行い、自社システムや物流システムと連携できれば、業務効率をあげて、ECサイトの運営に専念できるようになるのですが、ASPではこれができないため、システムを乗り換えるしかありません。

しかし、クラウドECは、「システムの自動更新」と「カスタマイズ」が両方可能なプラットフォームなのです。なぜなら、クラウドECの仕組みはカンタンに説明すると「プラットフォームの共通領域」と「個社毎のカスタマイズ領域」が別れております。

従って、プラットフォームの共通領域に自動更新がかかりつつ、個社毎のカスタマイズ領域があるため、自由にカスタマイズが可能なのです。

メリット⑤ サーバーや保守体制を自社で用意する必要がない

従来のECパッケージやフルスクラッチによるECシステムでは、自社でサーバーを用意したり、ホスティング先を確保する必要があります。また、システム保守のためにインフラやセキュリティの担当者を社内にアサインするケースも少なくありません。

一方、クラウドECはクラウド環境上で稼働するため、こうしたサーバーの確保や保守管理の負担が不要です。保守費用はかかるものの、サーバー障害やセキュリティアップデート、ソフトウェア更新といったインフラ運用業務はすべてベンダー側が担ってくれるため、企業はEC運営に集中することができます。

これにより、社内のITリソースを最小限に抑えながら、高い可用性とセキュリティの両立が可能になります。

メリット⑥ 開発フェーズを分けて段階リリースすることが可能で、しかも費用が安く済む

例えば、ECサイトのリリースを急ぐためであったり、ECの成長に合わせてECシステムを段階的にカスタマイズを検討している場合には、クラウドECには大きなメリットがあります。下記の図をご覧ください。

◆段階カスタマイズの費用のグラフ

少しわかりにくいかもしれませんが、オレンジの部分をご覧ください。それがカスタマイズ費用になります。

この図をみると、6ヶ月後、12ヶ月後ともにオレンジの部分のカスタマイズ費用が少ないのは、クラウドECのEBISUMARTになります。なぜ段階開発時に、カスタマイズ費用が少ないのでしょうか?それは、先ほど説明した、自動更新です。

他社ECシステムの場合は、システムの自動更新がないので、カスタマイズ費用が多くかかりますが、クラウドECは、開発しない間も、自動更新がかかるため開発費用を抑えることができるのです。

クラウドECの大きなメリットは、このように中・長期的にシステム投資を低く抑えることができる点なのです。

メリット⑦ 新規事業のECサイトは標準機能でクラウドECを安く導入すれば、将来のカスタマイズ費用を抑えられる!

新規事業におけるECサイトの立ち上げは、初期投資を最小限に抑えながらも、将来の成長に備えた柔軟性が求められます。クラウドECであれば、標準機能を活用して低コストで立ち上げることができ、初期段階では最小限のリスクでEC事業をスタートできます。

売上が安定し、さらなる成長フェーズに入った際には、クラウドECの持つカスタマイズ性や外部システムとの連携性を活用して、柔軟に機能を拡張することが可能です。

例えば、受発注や在庫管理、会員管理などの社内基幹システムとスムーズに連携することで、業務効率の向上や顧客満足度の向上につながる施策を展開できます。

また、クラウドECは日々の自動アップデートにより、新機能や改善が随時追加されていくため、将来的な再構築の必要がなく、結果としてパッケージ型ECに比べてコストを抑えやすい点も見逃せません。

メリット⑧ 自動バックアップ機能により、データの消失リスクの軽減や障害時の迅速な復旧が可能

クラウドECでは、自動バックアップ機能が標準で提供されているケースがほとんどであり、これによりデータの保全が高いレベルで実現できます。バックアップは、1日1回といった単位だけでなく、数時間おきやリアルタイムに近い頻度で設定することも可能であり、業種や運用方針に応じて柔軟に対応できます。

仮にサーバー障害や人的ミス、サイバー攻撃などによりECサイトのデータが損失した場合でも、最新のバックアップから迅速に復元を行うことが可能で、ダウンタイムを最小限に抑えながら復旧できます。

また、クラウド環境でのバックアップは、地理的に離れた複数の拠点にデータを保存する仕組みを採用している場合も多く、自然災害や火災などの物理的リスクにも強いという安心感があります。

ECサイトにとって、顧客情報や取引データの消失は信用失墜にもつながりかねないため、クラウドECが備える堅牢なバックアップ体制は、事業継続性の観点からも大きな強みとなります。

クラウドECのまとめ

本日はクラウドECの8つのメリットについて解説いたしました。ECサイト構築の際は、ECパッケージ会社とともに、クラウドECの会社も含めて、3社~5社でコンペを行いましょう。

なお、クラウドECにもデメリットがあります。それはプログラムコードの開示をしていない点です。オンプレミスが絶対条件である企業にとっては、クラウドECは相性が悪いので、その際はECパッケージが唯一の選択肢となります。

ECシステム導入のコツは、導入1年間だけではなく、3年~5年という長期的スパンで、ECサイトをどのようにしたいのか?に基づきプランを考えることです。そのプランをもとに、最適なECシステムを選んでみてください。

なお、本記事ではインターファクトリーが提供するクラウドEC「EBISUMART」を例に解説してまいりました。EBISUMARTはカスタマイズ性や保守性に優れ、多彩なシステム連携にも対応可能な柔軟性の高いクラウドECプラットフォームです

中・大規模ECサイトの新規構築、リニューアル・リプレースなどを検討されている企業におすすめのプラットフォームです。

クラウドECプラットフォーム:EBISUMART(エビスマート)

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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、EBISUMARTやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」では、ECサイトの初心者向けに特に集客方法について解説。