ECサイトで「リピート購入」を促すための7つの施策

せっかくWeb広告やコールセンターに予算を投下して新規ユーザーを増やしても、2回目、3回目のリピート購入につながらず苦戦しているECサイト事業者も多いと思います。

新規ユーザーを増やすことは重要ですが、それだけではECサイトの運営は上手く行きません。売上を安定させるためには、リピート購入の促進が絶対に必要になります。

なぜなら、新規ユーザーの獲得コストよりも、既存ユーザーにリピート購入を促す方が、マーケティングコストが格段に安く、利益を得やすい経営体質となるからです。このことは有名なパレートの法則でも裏付けられております。

本日は、forUSERS株式会社でマーケティングを担当している筆者の経験を交えて、リピート購入を促すための7つの施策を解説いたします。

ECサイトでリピート購入を促すための7つの施策

本日は主に、商品が多数存在する総合通販のECサイト向けのリピート施策を解説しますが、単品ECサイト運営者のヒントになることも紹介しておりますので、最後までご覧ください。

施策① 会員に対してセグメントメール配信を実施する

多くのEC事業者は、会員向けに同じメールを送付していると思いますが、以下のような軸でセグメントを分けてメール配信を行うだけでもリピート購入に確かな効果があります。

◆セグメントの軸の例

・性別
・年代
・職業
・購入商品のカテゴリー

例えば、疲れ目に効くサプリメントを販売するECサイトにおいては、ターゲットユーザーが主婦/主夫の場合とビジネスパーソンの場合は訴求の方法を変えていくべきでしょう。

◆ターゲットユーザーが主婦/主夫の場合のメールマガジンタイトル

目の周りのシワやクマが気になる…。疲れ目による肌トラブルかもしれません!

◆ターゲットユーザーがビジネスパーソンの場合のメールマガジンタイトル

仕事を休んでも治らない疲れ目は眼精疲労のサインです!

例えば、主婦/主夫向けのメールマガジンで、上記のビジネスパーソンに向けたタイトルを送付しても効果が見込めないことは一目で分かると思います。このようにセグメントの軸を作り、セグメント別の配信を行うだけでもリピート購入を促しやすくなるのです。

ただし、いくらセグメント分けの効果が高いからといって、セグメントを以下のように分けすぎてしまうと、送付先の母数が少なくなり、メールマガジンの効果が出にくくなってしまいます。

細かすぎるセグメントの例

20代男性で、過去にAカテゴリーの商品を購入した方

会員数が数十万人いれば、このような細かいセグメントでも効果は出ますが、多くのECサイトでは会員が数千人規模だと思いますので、最初は大まかなセグメントでも十分です。

セグメント配信については、下記記事でも詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。

関連記事:成果を出すための5つのメールマーケティング施策とは?

施策② ロイヤルカスタマー(優良顧客)向け施策

ECサイトに限らず、売上の多くを構成しているのは優良顧客です。しかし、何度も購入している優良顧客に対して、何か特別なことをしているEC事業者は少ないのではないでしょうか。

ECサイトではないのですが、筆者が過去に所属した会社で顧客アンケートをとった結果、以下のような意見を多数もらったことがあります。

たくさんお金を使っているのに、新規のお客さんと同じような扱いでは不満がある

このように、事業者が気が付かないうちに、優良顧客が不満を持っているケースもあるのです。そこで、筆者は過去に優良顧客向けに特別な期間限定のクーポンを配布したところ、翌年のアンケートではこのような意見がなくなり、さらにクーポンを配布したユーザーのリピート購入金額が10%以上も向上しました。

リピート購入率やリピート購入金額を向上させるためには、現在の優良顧客に対して施策を行うべきなのです。具体的には、以下のようなセグメントで優良顧客を抽出することから始めましょう。

◆優良顧客のセグメント

・累計購入回数の多いユーザー
・累計購入金額の多いユーザー
・最終注文日が直近のユーザー

このようなセグメントで、優良顧客を抽出することができます。また、最終注文日を1年以上前とすると、休眠顧客を抽出することもできますから、優良顧客だけではなく、休眠顧客に対しても施策を行うことで、リピート購入につながります

抽出したセグメントに対しては、以下のようなタイトルでメールマガジンを送付してみましょう。

◆メールマガジンのタイトル例

「日ごろの感謝を込めて!3,000円分のクーポンプレゼント!」
「リピーター限定!ポイント1,000円分プレゼント」

施策③ バースデーメール

バースデーメールは、筆者の過去の経験ではメールの開封率が通常よりも高くなります。筆者の妻も誕生月の際は「今月は誕生月だから、メールマガジンで特典が届かないかな?」と気にしていたことからも、一般的にバースデーメールには強い効果があると筆者は断言します。

バースデーメールを送付するためには、会員登録の際に誕生月の情報を取得する必要がありますが、現在では、必要以上の顧客情報の取得はユーザーも不信に思い、会員登録フォームからの離脱を生むことにつながります。ですから、以下のように補足の文言を入れることを忘れないでください。

◆ECサイトで誕生月を取得するフォームに入れる補足の文言

※誕生月のご入力は誕生月特典をお知らせするために必要です。

誕生月には、期間限定のクーポンを配布するのが一番でしょう。多くのECサイトでは、クーポン期間を設定すると、クーポン期間が迫ったときに自動で「クーポン期間は今週まで」と自動配信メールを送付してくれるため、クーポンの存在をユーザーに気付かせることにつながるからです。

なお、下記記事でバースデーメール施策について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

関連記事:EC担当者のためのバースデーメールの3つの例文と送り方

施策④ レビュー依頼メールでポイント付与

ECサイト運営者であれば、CVR(成約率、注文率)を上げるために、口コミや商品レビューを商品ページに集める必要があります。そのために商品到着の数日後に「レビュー依頼」メールを送付するのですが、このレビュー依頼のメールがリピート購入にもつながるのです。

なぜなら、多くの新規ユーザーは、Amazonや楽天市場などの大手ではない「あなたのECサイト」で購入した理由は、「たまたま」というケースも多いはずです。そのような新規ユーザーに対して、クーポンやポイントなどのインセンティブをつけてレビュー依頼を実施すれば、中にはリピート購入をするユーザーが必ず出てきます。

レビューを増やす施策もCVRを上げるための施策として非常に重要ですが、新規ユーザーのリピート購入を促す施策の一環として、レビュー依頼にインセンティブを付与してみましょう。

口コミ・レビューの集め方については、下記記事でも詳しく解説しておりますので、こちらも併せてご覧ください。

関連記事:ECですぐに成果を出すための口コミ・レビュー対策3つのコツ!

施策⑤ SNSアカウントをフォローしてもらう

ECサイトのリピート購入においては、メールの重要性は非常に高いですが、ユーザーの中には宣伝のためのメールにはほとんど目を通さないユーザーもいます。

また、昨今のGmailでは、プロモーションメールは自動で「プロモーション」の枠に振り分けられてしまうため、そもそもメールを見ていない方も多いのが現状です。そのため会員に限らず、SNSアカウントをフォローしてくれるユーザーも増やすべきです。

まず、SNSアカウントを増やすためには、宣伝だけではなく、ユーザーのために役立つ情報や、ユーザーが保存したくなるような情報の配信を続けて、フォロワー数を増やしていきます。SNSの運用については下記の記事をご覧ください。

参考:ECとInstagramの連携を3つの成功事例で解説(ebisumart Media)

そして、せっかく商品を購入してくれたユーザーに対しては、同梱物にSNSのフォローを促すQRコードを印刷した紙を入れておきましょう。QRコードだけを入れてもフォローにはつながりにくいので、例えばアパレルのECサイトなら、

・新作情報をいち早くSNSでチェックできます!
・人気商品の入荷情報をお知らせします!
・限定モデルやキャンペーンのお知らせが受け取れます!

などのユーザーメリットも忘れずに訴求するようにしてみましょう。

施策⑥ 会員限定で送料を無料にする

Amazonプライムの普及により、今やユーザーにおいても「送料無料が当たり前」という認識になってきております。以下は公益財団法人流通経済研究所が主催するネットショッパー研究会の調査結果のグラフですが、これを見ても、EC利用において「配送料がかからない」ことが最も重視されていることが分かります。

◆EC利用時に重視する点(上位8項目)

EC利用時に重視する点

出典:ネットで買い物する際に重視する項目「配送料がかからない」が最多/ネットショッパー研究会調査(ECzine)

送料無料となると、当然事業者の負担が非常に大きくなりますが、これを会員限定とすることで負担を軽減し、なおかつ新規会員登録が促進されます。

会員登録されることでリピート購入にもつながっていきますが、確実にリピート購入をしてもらうためには、会員特典には送料無料とあわせて、「初回限定クーポン/ポイント」や「会員限定セール」などの限定特典を付与しバリューを高めるべきです。

送料無料の実施方法について詳しくは下記記事をご覧ください。

関連記事:自社ECサイトで「送料無料」を検討するための5つの実施方法

施策⑦ 商品に個別のメッセージカードを同梱する

ECサイトで購入された商品がユーザーのもとに届き開封されるときは、ユーザーとの貴重なコミュニケーションの機会です。

開封時はユーザーが最もポジティブな気持ちになっている瞬間です。そこで商品に御礼状やメッセージカードなどを同梱しておくことで、好意的に受け取ってもらえる可能性が高く、関係値が深まり信頼感も持ってもらえます

リピート購入してもらうためには、商品自体の良し悪しだけではなく、ユーザーへの対応も非常に重要です。同じ商品で同じ値段なら、ショップの対応が良く、気持ちの良い買い物ができる方を選ぶのが当然です。

したがって、お互いの顔が見えないECサイトでの取引においてこそ、メッセージカードのような人間味のある施策を重視することで、ユーザーがファン化し、リピート購入につながっていきます。

このように、同梱物はリピート購入につながる大事な施策です。同梱施策について詳しくは下記の記事をご覧ください。

関連記事:ECにおける同梱物の種類・役割と5つの注意点を解説!

まとめ

ECサイトで最も重要なことは、初回購入だと筆者は考えます。しかし、初回購入が上手く行っても、その後のリピート購入を増やすことができなければ、ECの売上は安定しません

つまり、新規ユーザーに初回購入を促すことと、既存ユーザーにリピート購入を促すことは、ECにとって、両輪のように重要なことなのです。今回の記事ではリピート購入を取り上げましたが、初回購入については下記記事もご覧ください。

関連記事:ECで初回購入を成功させるための7つのマーケティング手法

株式会社インターファクトリーでは、EC支援サービス「ebisu growth」にてEC事業の成功を支援しております。

本記事で解説したリピート購入や初回購入の秘訣など、多くのECノウハウを知りたいという方はぜひご検討ください。経験豊富なコンサルタントが貴社ECサイトを成功に導きます。

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ABOUT US
井幡 貴司
forUSERS株式会社 代表。 株式会社インターファクトリーのWebマーケティングシニアアドバイザーとして、ebisumartやECマーケティングの支援、多数セミナーでの講演を行う。著作「図解 EC担当者の基礎と実務がまるごとわかる本」では、ECサイトの初心者向けに特に集客方法について解説。