「スーパーやコンビニって業界としてどうなんだろう?」
「小売業界ってどんな感じだ?」
将来の転職や就職活動先として、小売業界に興味を持っている方は小売業界の将来性が気になることでしょう。
1990年からの小売業界の販売額推移は横ばいになっており、コロナ禍には大きく市場規模が落ち込みましたが、2026年現在、国内およびインバウンドともに客足は順調に戻り、市場は再び拡大傾向にあります。
しかし、結論から言えば、日本は少子高齢化に突入するため、業界全体で売上が大きく伸びることはないと予測され、業界の統廃合が進みます。そのため生き残る企業はネットを上手く使う企業や、売ること以外に付加価値を生み出すことができる企業に絞られます。
また、市場規模が回復傾向にあるとは言え、長く続く物価高の影響も大きく、今後の発展を考えると依然として厳しい業界であることも間違いありません。
本日はインターファクトリーでシニアアドバイザーを担当する筆者が、小売業界の最新動向について詳しく解説いたします。
国内小売販売額推移(1980年~2025年)
下記の国内小売販売額推移のグラフをご覧ください。
データ引用先:時系列データ|商業動態統計 – (経済産業省)
このグラフを見てもわかる通り、国内小売販売額は1990年代前半に高い水準まで伸びたあと、2000年代から2010年代前半にかけては横ばいから弱含みで推移してきました。一方で、2010年代後半以降は再び持ち直し、直近も高水準で推移しています。
これには下記2つの背景があります。
② ECを含む無店舗小売の拡大
このため、近年の小売販売額は伸びているように見えますが、その数字をそのまま店舗型小売だけの成長と捉えることはできません。
なお、2020年のコロナ禍では、緊急事態宣言の影響で小売業販売額も大きく落ち込みましたが、6月以降は回復し、2022年以降は感染拡大前の水準に戻っています。
百貨店とスーパーの年間販売額の商品別内訳(2015年 vs 2025年)
総務省が公開しているデータに「百貨店」と「スーパー」の年間販売額の内訳をまとめているデータがあったので、2015年と10年後のデータとして2025年を比較して見てみましょう。(コンビニや専門量販店は含まれておりません)
2025年のデータ引用:2025年小売業販売を振り返る
2015年のデータ引用:平成27年小売業販売を振り返る – 経済産業省
百貨店の年間販売額は10年間で6,100億円の減少
◆百貨店販売額の商品別内訳の比較
百貨店の販売額を2015年(平成27年)と2025年で比較すると、全体では6兆8,258億円から6兆2,124億円へと減少しており、この10年間で約6,100億円縮小しています。とくに減少幅が大きいのは「婦人・子供服・洋品」で、1兆6,013億円から1兆2,592億円へと約3,400億円減少しました。
加えて、「紳士服・洋品」も4,587億円から3,158億円へと減少しており、百貨店における衣料品分野の縮小が目立ちます。
昨今の消費者の指向として、ユニクロや、H&M等のファストファッションブランドが定番となり、服にお金を使う意識が若い人を中心に弱くなってきていることが原因と考えられます。
一方で、直近では百貨店全体の販売額は回復傾向にあります。2023年時点では5兆9,557億円まで落ち込んでいましたが、2025年は6兆2,124億円まで持ち直しており、2015年の水準には届かないものの、差は着実に縮小しています。
また、商品別に見ると、「身の回り品」は増加しており、「その他の商品」も構成比を高めています。つまり、百貨店は全体として回復傾向にある一方で、売上の中身は変化しており、従来の衣料品中心の構造から少しずつ変わりつつあるといえるでしょう。
百貨店業界全体としては、今後は店舗販売だけではなく、ECサイトなどオンラインにも販売の主軸を置いて、百貨店ならではの価値を再構築することが重要になってくるでしょう。
スーパーの年間販売額は10年間で約3.6兆円の増加
◆スーパー販売額の商品別内訳の比較
2015年(平成27年)と2025年のスーパーの年間販売額を比べると、13兆2,233億円から16兆8,026億円へと増加しており、この10年間で約3.6兆円伸長しています。
内訳を見ると、増加を大きくけん引しているのは「飲食料品」で、9兆3,634億円から13兆6,428億円へと約4.3兆円拡大しています。日常的に購入される食品需要の強さに加え、近年の物価上昇によって販売額が押し上げられていることも大きいと考えられます。
一方で、衣料品や身の回り品、家具、家庭用品などは全体として縮小しており、現在のスーパーは、食品を中心に売上を伸ばす業態としての性格をより強めているといえます。
【最新】小売業界の売上高ランキングTOP10
| 順位 | 企業名 | 売上高(兆円) |
|---|---|---|
| 1 | イオン | 10.72 |
| 2 | セブン&アイ・HD | 10.43 |
| 3 | ファーストリテイリング | 3.40 |
| 4 | パン・パシフィック・インターナショナルHD | 2.25 |
| 5 | ヤマダHD | 1.63 |
| 6 | ツルハHD | 1.45 |
| 7 | ゼンショーHD | 1.14 |
| 8 | マツキヨココカラ&カンパニー | 1.06 |
| 9 | コスモス薬品 | 1.01 |
| 10 | スギHD | 1.01 |
上位2社はいずれも10兆円規模の売上高となっており、国内小売市場における存在感の大きさがうかがえます。特に1位のイオンは、2026年2月期の営業収益が10兆7,153億円となり、5期連続過去最高、営業利益も2期ぶりに過去最高益を更新しました。
2位のセブン&アイホールディングスは、2026年2月期決算の連結売上高(営業収益)が前期比12.9%減の10兆4,302億円でした。イトーヨーカ堂を含むスーパーストア事業が、2025年9月に連結対象から外れたことなどが影響した収益減とみられています。
3位はユニクロやGUを展開するファーストリテイリングです。総合小売グループとは異なる業態でありながら、単独で3兆円台の規模に達している点は非常に目立ちます。
2025年8月期は売上収益3兆4,005億円、営業利益5,642億円と増収増益で、グローバルでの知名度向上や観光客需要の高まりが追い風になっています。
4位のパン・パシフィック・インターナショナルHDも引き続き好調で、2025年6月期の売上高は2兆2,468億円と伸長しています。ドン・キホーテを中心としたディスカウント業態の強さに加え、インバウンド需要の取り込みも成長を支えていると見られます。
今回のランキング全体を見ても、ドラッグストア各社やゼンショーHDが上位に入っており、日常消費に近い業態の強さがより明確になっているといえるでしょう。
小売業界の将来性や課題
日本は今後、少子高齢化社会に突入し、国内需要はどんどん下がります。しかし、一方でインターネットで買い物をする人は、増えていきますから、利便性の高いネットスーパーなど、顧客視点での業態変更が求められます。
また単に、モノを売るだけではなく、ドン・キホーテのように、「ショッピングの楽しさ」という付加価値をつける企業が、顧客から支持され生き残っていくでしょう。今後20年で、小売業界は大きく統廃合を繰り広げていく厳しい業界の一つです。
小売業界の平均年収は約500万円
小売業界の平均年収は他の業界と比べると安めであり約500万円です。小売りの中でも、有名企業は600万円を超えてきますが、業界全体では年収が300~400万円代の会社が多く、店舗で働く社員は人件費というコストで見られる傾向があるため、どうしても給与が低く抑えられがちです。
小売業界でキャリアアップをしていくには、本社勤務になるか、エリアマネージャーになっていくかのどちらかが求められます。
小売業界に他業界から転職は可能か?
小売業界への転職は、常に人手不足の業界であるためか、年齢や経験に関わらず難しくはありません。しかし、すでに説明したように、給与の安い業界であり、業務時間も長く、そもそも他業界からモチベーションを高く転職する人は多くはありません。
他業界から転職する場合は、将来の事業の独立を視野にいれたりする人が多いでしょう。
小売業界に向いている人は?
単に言われたことだけをこなすのではなく、数字や顧客視点を意識し、経営者視点を持つことが大切です。まかされた商品棚も、自分の事業としてとらえて売上を伸ばしていく人こそ向いています。
また、将来、自分で小売事業を行いたい場合も、その修行先として小売業界はうってつけです。
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