4つのECサイト構築方法と比較!クラウドECの7つの特徴とは?

ECシステムの構築にあたり「最近よく聞くクラウドECとはなにか」「クラウドECにどのようなメリットがあるのか」など疑問をお持ちのEC担当者も多いのではないでしょうか。

今回は、パッケージやフルスクラッチ、ASPなど他のEC構築システムと比較しながらクラウドECの特徴を7つご紹介します。ECサイトを新規で立ち上げる方や、ECシステムの乗り換えを考えている方も、これをみればクラウドECについて理解できるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

4つのECシステム構築サービスを比較

下記の表では、クラウドEC、パッケージ、フルスクラッチ、ASP、の4つのシステムを比較しました。

■EC構築サイトの4つの手法比較表

引用:個人や企業が最適の「ECサイトを構築」するための必要な5つの視点/ebisumartMEDIA

昨今クラウドECが注目されている理由は、他のECシステムに比べて費用対効果が大きいからです。なぜなら、自動的にアップデートされシステムを入れ替える必要がないため、長期的にみてコストパフォーマンスが高いといえます。

クラウドECには下記のようなメリットがあります。

・機能やサイトデザインをセルフカスタマイズできる拡張性がある

・継続的にサイトが無料アップデートされ最新性がある

・自動的に最新のセキュリティ対応がされ安心して利用できる

続いて、クラウドECがEC業界でどこに分類さるのかを次の表で見ていきます。

■ECサイト構築サービスベンダー一覧

ECサイト構築サービスは、下記表のように様々な種類と提供企業が存在します。

ECカオスマップ

引用:Eコマース業界地図「ECサイト構築サービス編」/日本ネット経済新聞 eccLab

EC構築サービスにパッケージやASPなど多くの構築サービスがあります。対して、上記の表の赤枠で囲ったところがクラウドEC業界となり、比較的企業数が少ないといえます。

なぜ企業数が少ないかというと、そもそもクラウドのシステム自体がまだ新しい構築方法であるからです。その中でもクラウドECシェアNo.1(※1)であるebisumartは、導入実績数も多いため注目されています。

それでは、さらに詳しくクラウドECについて解説します。ぜひ新規ECサイト構築や、リニューアルの際に参考にしてみてください。

(※1)出典元 日本ネット経済新聞 2017年2月16日号 2018年11月8日号より

クラウドECの7つの特徴

特徴①コスト 追加機能のコストが抑えられる

特徴②導入期間 基本機能があるシステムをカスタマイズするため、フルスクラッチより導入期間が短い

特徴③カスタマイズ性 自社独自の要件を実現する

特徴④最新性 常に最新の機能が利用できる

特徴⑤セキュリティ性 自動的に最新のセキュリティ対応が行われる

特徴⑥保守労力 システムの保守労力を抑えて、EC運営に専念できる

特徴⑦急激なトラフィック対策 最適なインフラ環境で、急激なアクセスに対応できる

特徴①コスト 追加機能のコストが抑えられる

・クラウドEC    追加機能が自動でアップデートされる

・パッケージ   追加機能を実現したい場合、追加で費用が発生する

・フルスクラッチ 追加機能を実現したい場合、追加で費用が発生する

・ASP           追加機能が自動でアップデートされる

クラウドECは追加機能が自動でアップデートされるメリットがあります。例えば、新しい機能がアップデートされたり、既存の機能の修正が行われたり、継続的に無料でアップデートされるため、追加機能のアップデートにコストがかかりません

それに対して、パッケージの場合は、リリースされてからアップデートは行われず、追加で機能が必要な場合は、その都度追加コストがかかることが多いです。

結果、クラウドECとパッケージを比べると初期費用に差がなかったとしても、長期的にみるとクラウドECの方がコストを抑えられます。

特徴②導入期間 基本機能があるシステムをカスタマイズするため、フルスクラッチより導入期間が短い

・クラウドEC    導入期間は最短3カ月

・パッケージ   導入期間は最短3カ月

・フルスクラッチ 導入期間は半年~1年以上必要

・ASP           最短1週間も可能

クラウドECの導入期間は最短3カ月です。クラウドECの導入期間が短い理由はパッケージと同様、もともと基本機能を備えたシステムを用意しているため、カスタマイズをしたとしても比較的早く導入することができます。

対して、最も導入期間が長いのは、ゼロからECサイトを構築するフルスクラッチです。独自の機能要件も多い大手ではよく使われるシステム構築方法です。

ASPはカスタマイズしない分、既存のものを使うので、最短1週間でリリースすることも可能です。

特徴③カスタマイズ性 自社独自の要件を実現する

・クラウドEC     カスタマイズ可能 〇

・パッケージ    カスタマイズ可能 〇

・フルスクラッチ  カスタマイズ可能 〇

・ASP            カスタマイズ不可 ×

独自の要件を実現したいならフルスクラッチが一番です。なぜなら、ゼロからシステムを自社に合わせて構築するので、もっともカスタマイズ性が高くなります。

クラウドECとパッケージは、すでにECの機能があるシステムをカスタマイズする形で、個社ごとのカスタマイズを実現できますが、フルスクラッチには及ばない点があります。ただし、昨今クラウドECやパッケージでも導入実績が増え機能を向上させており、カスタマイズの幅が広がっております。そのため、フルスクラッチでECサイトを作るメリットが少なくなってきております。

ASPはカスタマイズが難しいため、独自の要件がある企業には向いているシステムではありません。

特徴④最新性 常に最新の機能が利用できる

・クラウドEC    常にアップデートされるため最新性が高い

・パッケージ   3~5年でシステムが陳腐化する

・フルスクラッチ 3~5年でシステムが陳腐化する

・ASP           常にアップデートされるため最新性が高い

クラウドECとASPはシステムが自動的にアップデートされるので、EC運用者は常に最新の機能やセキュリティを享受することができ、システムを古くなることを考慮せずECの運営に専念することができます。

それに対して、パッケージとフルスクラッチはシステムのアップデートは手動で行う必要があるため、EC運用者はシステムが古くならないように配慮する必要があり、改修費用や労力が負担になります。

このためシステムの最新性というのは、単にシステムの陳腐化を防ぐというだけでなくECサイト運営の費用を抑え利益の最大化に結び付きます。

特徴⑤セキュリティ性 自動的に最新のセキュリティ対応が行われる

・クラウドEC    自動でアップデート

・パッケージ   都度セキュリティ対応が必要

・フルスクラッチ 都度セキュリティ対応が必要

・ASP           自動でアップデート

クラウドECとASPはシステムが自動的にアップデートされるため、継続的にセキュリティ基準が向上します。なぜならセキュリティのアップデートをクラウドサービスを提供する側が最新の基準にアップデートしてくれるからです。これにより事業者側は、システム自体のセキュリティをほとんど意識する必要がないのです。

それに対してパッケージとフルスクラッチはシステムのアップデートを手動で行う必要があるため、EC運営者はセキュリティ面も自社側で管理する必要があります。サイト自体が、大体3~5年で陳腐化してしまうため、同時期にセキュリティ面も見直す必要が出てきます。

特徴⑥保守労力 システムの保守労力が抑えて、EC運営に専念できる

・クラウドEC    ベンダーが保守を担当、EC運営に専念できる

・パッケージ   機能追加やセキュリティ対策の度に費用・労力が発生

・フルスクラッチ 機能追加やセキュリティ対策の度に費用・労力が発生

・ASP            ベンダーが保守を担当、EC運営に専念できる

クラウドECとASPの場合は、システムの運営や改善など保守サービスをベンダー側が行うため、担当者はECの運営に専念することができます

パッケージとフルスクラッチの場合は、システムの運営や改善を自社で行う必要があるため、自社にシステムの知識を持った担当者が必要です。また、自社でシステム担当者の確保が困難な場合、開発会社に委託するケースも少なくありません。その場合システム改修費用も追加で発生してきます。

したがって、クラウドECやASPはシステムの保守労力を抑えられるため、担当者にシステムの知識がない場合でも運営が可能となり、さらにECの運営に専念できる環境が整います。

特徴⑦急激なトラフィック対策 最適なインフラ環境で、急激なアクセスに対応できる

・クラウドEC    サーバーのスケールアップが簡単 ○

・パッケージ   サーバーのスケールアップが手動で可能 △

・フルスクラッチ サーバーのスケールアップが手動で可能 △

・ASP           サーバーのスケールアップが不可能 ×

クラウドECの場合、急激にアクセス数が増えたとしても対応が可能です。なぜなら、クラウドECは、一時的にサーバーのスペックを上げて大量のアクセスを処理することができるからです。例えば、セールで集中的にアクセスが増えるときにだけスケールアップをすることも可能となります。

パッケージやフルスクラッチの場合は、クラウドECと同様に導入後にサーバーのスケールアップをすることは可能ですが、スペックを上げるためには手動でスケールアップをする必要があります。

そのため、その都度多額の費用や労力、人的コストもかかるため、サーバーのスケールアップの可能性がある場合は、クラウドECを選ぶ方が費用も抑えられ柔軟に対応ができるしょう。

ASPの場合は、外部のサーバーを他社と共有して利用することになるため、サーバーのスケールアップが不可能です。サイトの大量アクセスが考えられる場合、ASPの利用は難しいかもしれません。

ポイントは3つ、自社に一番合うサイト構築方法の見つけ方

クラウドECの特徴について解説してきましたが、実際ECサイトの構築システムを検討する場合、何を基準にシステムを検討したら良いのでしょうか。ECサイト構築システムを選ぶ際のポイントを3つご紹介いたします。

ポイント①費用感が自社に見合っているかどうか

企業には、Eコマース事業に決められた予算があり、予算の範囲内で目的の最大化を行う必要があります。具体的にどのくらいのEC年商規模の企業が、どのシステムを選んでいるのでしょうか。

中小企業や、事業規模の小さい企業のECサイトであれば、ASPを選ぶことをおすすめします。なぜなら、初期費用や月額費用が他のシステムより比較的安価で手軽に始めることができるからです。

しかし、EC年商が1億円以上になってくると、サイトの利用者も増えるため受注処理を行うことも大変です。そのため、お客様の様々な要望に答えられるよう中規模以上のECサイトでは、カスタマイズ性のあるクラウドECやパッケージを選ぶケースが多いです。

フルスクラッチの場合は、ゼロからECサイトの開発をするため、サイトの機能やデザインに独自性のある、大手企業のECシステム構築に向いているといえます。

また、カスタマイズが自由な分費用や労力もかかってくるため、EC年商30億円以上の費用感がないと導入が難しいと言えます。

ポイント②ECサイトの目的を明確にする

ECサイトを作成するにあたり、企業によって様々な目的があると思います。例えば、今すぐにでもECサイトを始めたい場合、おすすめのEC構築方法はASPです。なぜなら、導入期間が最短で、さらに低価格で始められることから、今すぐにでも導入することが可能です。

また別の場合、目的がカスタマイズ性だとしたら、パッケージまたはクラウドECを選びますが、ECサイトが陳腐化してしまうことを防ぎたいという目的もあったとしたら、選ぶべきはパッケージではなくクラウドEC一択です。なぜなら、クラウドECはカスタマイズも可能な上、無料のアップデートがあるため常に最新なECサイトを維持することができます。

このように、どのようなECサイトを目指したいのか、あらかじめ目的を明確にし構築システムを選ぶことが重要です。

ポイント③ECサイトの運営体制が整っているかどうか

ECサイトの運営にあたりシステムによっては、ECサイトの運営を全て自社で管理しなければならない場合もあるため、あらかじめ注意が必要です。

例えば、クラウドECやASPの場合は、ECサイトの運営をベンダー側に任せることができるため、自社にシステムの知識のあるスタッフがいない場合でも簡単に受注管理をすることができます。

しかし、パッケージやフルスクラッチの場合はシステムの運営や改善を自社で行う必要があるため、自社にシステムの知識を持った担当者が必要です。

このようにシステムによって運用方法も変わるので、事前に自社の運営体制を把握し、自社に合ったシステム構築方法を選ぶことをおすすめします。

クラウドECのまとめ

クラウドECのメリット

・機能やサイトデザインをセルフカスタマイズできる拡張性がある

・継続的にサイトが無料アップデートされ最新性がある

・自動的に最新のセキュリティ対応がされ安心して利用できる

今回は、クラウドECについてご紹介いたしました。これらのメリットをまとめて、ECサイトを長期的に維持するためには、拡張性、最新性、安心性のあるクラウドECは時代にあったECシステムであると感じました。今後さらにEC化率が伸びていく中、クラウドECが注目されていくことは間違いありません。

ただし、クラウドECのデメリットは、プログラムソースが開示されておらず、企業にとってはブラックボックス化しています。自社でプログラムコードの全てを管理したい企業のニーズには応えることができません。

クラウドECについてさらに気になった方は、ぜひ弊社が運営するebisumartもクラウドECとなるのでご一緒にご覧ください。

クラウドコマースプラットフォーム:ebisumart(エビスマート)

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ABOUT US
首藤 沙央里
2019年9月、株式会社インターファクトリーに入社。 マーケティングチームにてオウンドメディア運用を担当し、年間40本以上の記事を掲載。 社内広報、採用広報に加え、EC業界やクラウドコマースプラットフォーム「ebisumart」についての情報発信も行う。