企業研究をしている方にZOZOTOWNの5つの強みを解説!

「ZOZOって会社、テレビでよく取り上げられているけど、何がすごいの?」
「ZOZOTOWNって働く先としてはどうなんだろう?」

アパレルECモール「ZOZOTOWN」を運営する株式会社ZOZO(スタートトゥデイからZOZOに社名が変更しました)にあこがれて、就職を考えている人も多いと思います。ですから、就職や転職を考えている方は、ZOZOの強みを事前に理解しておくべきです。

本日はインターファクトリーで、シニアアドバイザーを担当する筆者が、ZOZOTOWNの5つの強みについて詳しく解説いたします。

強み① ZOZOTOWNの最大の強みは、採寸、集客、出品、梱包&発送、サポート対応まで、全てを一貫して行うこと!

まず、ZOZOへの入社を考えるのなら、ZOZOTOWNの強みをしっかり理解しておくべきです。ZOZOTOWNの最大の強みは、ECサイトに必要な下記の工程を全て自社で行っていることです。

①採寸
②集客(コーディネートアプリのWEAR)
③出品(写真撮影&EC商品ページ)
④梱包&発送(ZOZOBASE)
⑤サポート対応

例えば楽天市場では、上記工程を基本的に出品者が担当しますが、ZOZOTOWNは全てを一括で受託します。そのため、全体のコントロールを自社で行うことができ、大きな物流倉庫などの拠点は作るのは非常に大変ですが、一度作ってしまえば、取扱い量をどんどん増えてやすことができ、スケールさせやすいのです。

強み② 採寸は、実はアパレルEC最大の弱点だが、ZOZOは独自のバーチャル試着サービスを提案!

アパレルECは、ZOZOTOWN以外にも無数にあります。有名どころだと、ユニクロやNIKEにもECサイトがあります。これらのアパレルECには、共通する大きな悩み(弱点)があります。それがサイズ感です。実店舗だと、服を実際に着て、サイズ感を試すことができます。

しかし、ECサイトは、実際に試着することができないので、サイズ感がわからないという大きなデメリットがあります。そのため、アパレルECではサイズを細かく表記したり、サイズが合わなければ、無料で返品できるサービスを行っています。

ご存じの方も多いと思いますが、かつてZOZOTOWNではZOZOスーツというバーチャル試着サービスを提供しておりました。(現在は一旦サービス終了)

ZOZOスーツを着て、スマホにアプリを入れて、そのアプリで身体を360度撮影することで、自分の体を正確に採寸することができ、ZOZOTOWNで服を買う際に、ジャストサイズの服を買うことができるという、アパレルECの課題を見事に克服したサービスでした。

しかも、このZOZOスーツは、発表当初は無料(送料は200円)で配布しており、2018年9月には約100万枚配布しました。無料で配った意図は何だったのでしょうか?

その理由はカンタンで、ZOZOで一度でも採寸してしまえば、ユーザーもECサイトで服を選ぶときは、真っ先にZOZOを選ぶようになるでしょう。そういったユーザーがどんどん増えると、必然的にZOZO以外にECサイトでは服が売れなくなります。

そうなると、他のアパレルは、自社のアパレルECよりも、ますますZOZOへの出店を強化していくようになるでしょう。

現在は、一旦サービスは終了しましたが、今後は「ZOZOスーツ2」のサービス展開を予定しております。また同じようなサービスとして、足の採寸ができる「ZOZOMAT」や、メガネタイプの計測ツール「ZOZOGLASS」など、多様な試着サービスを提供しております。

強み③ ECサイトは集客が難しいが、ZOZOには1,500万ダウンロードのコーディネートアプリ「WEAR」がある!

ECサイト(アパレルECを含む)のデメリットの一つは集客が難しい点です。ユニクロや、NIKEのような有名アパレルECならば、ブランド力があり、自然にECサイトにもアクセス数が集まりますから、苦労しません。ZOZOTOWNにも、すでに強力なブランド力がありますが、それに加えて、コーディネートアプリのWEARがあります。

◆ZOZOが運営するコーディネートアプリの「WEAR」

WEARアプリ

このアプリがあれば、最新の服のコーディネートや、アイテムを検索して、自分の好きな服や靴のコーディネートを探すことができますし、自分の服のコーディネートを投稿することもできます。

このWEARの中には、「ウェアリスタ」と呼ばれるカリスマ的な存在のユーザーが多数おり、その方のコーディネートを参考にするだけでなく、ZOZOTOWNで連携することで、その服がそのまま購入することができます。

話を戻しますが、このようなファッション好きにはたまらないアプリが世界で1,500万ダウンロードもされています。ここからの集客は質(服を買う見込客)も高く、ZOZOTOWNは集客に困っておりません。

これが、他のECサイトですと、自社アパレルECに集客するために、莫大な広告費を使いますが、それでも集客が思うようにいかない企業がほとんどなのです。

ちなみに、ユニクロでも似た手法をとっており、ユニクロとGUが共同開発した「StyleHint」というアプリは、WEARのようにユーザーやインフルエンサーが投稿したコーディネート画像から、直接ユニクロの商品ページに遷移し、商品を購入できるようになっております。

◆ユニクロのファッションSNSアプリ「StyleHint」

stylehintアプリ

今後は大手企業を筆頭に、このような自社のマーケティングにつながる、ユーザー参加型のアプリやサービスが増えてくることが考えられます。

強み④ 在庫リスクはZOZOでなくメーカーが負う!

通常のアパレル事業者であれば、洋服の在庫リスクは頭の痛い問題です。コストをかけて作った商品の在庫は資金とも言えますが、お金の資金と違ってアパレルの在庫は、シーズン中に売ることができなければ、価値がどんどん下がりますし、またお金のように自由自在に動かせません。

服の在庫はスペースも取るので、スペースを確保するにもコストがかかります。

このような在庫過多を恐れて、在庫を持たないように、小ロット生産だけをしていると、売上を最大化することができないのです。こういったリスクを在庫リスクといいます。

しかし、ZOZOTOWNでは、直接は在庫を持たず、在庫リスクを持つのはZOZOTOWNに出店しているメーカーです。ZOZOTOWNは、ZOZOBASEと呼ばれる習志野の倉庫で集中管理しており、多くのメーカーの在庫の保管を担っています。

このため、在庫の保管はしますが、在庫リスクをZOZOTOWNは持たないで良いのです。さらにZOZOBASEは、新たな物流拠点として2023年8月にZOZOBASEつくば3の稼働開始を予定しております。

参考記事:ZOZO、2023年8月稼働開始予定の新たな物流拠点 「ZOZOBASEつくば3」で自動化を推進

 

強み⑤ 徹底的にチューニングされたZOZOTOWNのECサイト

何気なく使っているZOZOTOWNのECサイトは、ユーザーからたくさんの服の注文がされるように徹底的に画面がチューニングされています。例えば、ZOZOTOWNのTOP画面には、常に目立つところにクーポン券が表示(下記の赤い四角)されております。

ZOZOTOWN_TOP

「そんなの当たり前じゃないか?」と思われますが、ZOZOTOWNのターゲット層は若いユーザーが多く、若いユーザーは、クレジットカード保有率が低いため、なるべく安く買える仕組みは、注文件数に強く影響を与えます。

また、ZOZOTOWNで初めて購入する方が、注文方法などで手間取らないように、クレジットカード番号の入力で戸惑っていると、サポートのチャット画面が出てきます。

なぜなら、ZOZOTOWNの初めての買い物で、失敗(クレジットカード番号を入れたら、エラーになったなど)をすると、その人は二度とZOZOTOWNで買い物をしてくれません。逆に買い物を成功していれば、リピーターになってくれます。何百万人が使うZOZOのサイトでは、この小さな違いが、売上に大きな影響を与えるのです。

このような仕組みとともに、上の画像内にもあるように、新規会員登録限定クーポンにより「初回購入は絶対に成功させる!」という強い意志が働いており、 ZOZOTOWNのいたるところに、ユーザーが快適に買い物できる工夫がなされているのです。このようなECサイトの改善については、私の書いた下記の記事をご覧ください。

参考記事:大手ファッションECサイト2社から学ぶ!売上改善の9つのポイント

ZOZOTOWNの強みのまとめ

以上、5つのZOZOTOWNの強みをまとめました。

しかし、本当の強みは、社長や社員達の事業に対する思いです。私は、打ち合わせで、ZOZOの関連会社に行ったことがありますが、社員一人ひとりが、自社のサービスに対する思いは非常に強いものがあります。こういった社員たちの力が、ZOZOの本当の強みではないでしょうか。

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